Nishikawa Lab., College of Tourism, Rikkyo University
Community Based Tourism, Tourism Policy, and Urban Planning
プロフィール
研究者になるまでの簡単な経歴
大学院まで都市計画を専攻し、西村幸夫先生(東大名誉教授)の主宰する都市デザイン研究室に所属。修士課程では、全国の歴史的な町並みを活かした地域づくりのプロジェクトに関わる。具体的には、千葉県佐原、愛知県豊田市足助、広島県福山市鞆の浦にて、地元の住民の方とともにまちづくりに関わり、調査や提案等を行ってきた。そこで、観光を利用した地域づくりの可能性に惹かれる。これらのプロジェクトと並行して取り組んだ修士論文では、欧州評議会(Council of Europe)による広域的な文化遺産保全政策について研究。フランス、スペイン、ルクセンブルクにある欧州評議会やまちづくり組織などにヒアリング調査を行うなどした。修士号を取得後、観光系の専門コンサルタントである(公財)日本交通公社にて研究員として就職。その間、沖縄県の観光統計調査や国のインバウンド調査(訪日外国人消費動向調査)の作成などの統計的な実務に4年間、MICE関連調査や国の免税制度調査など、国の政策立案に関わる調査事業に数年間、三重県鳥羽市や北海道阿寒湖、北海道倶知安町ニセコ地域といった地方自治体の観光計画策定、エリアマネジメント支援など、地方自治体や住民に寄り添った観光地づくりのお手伝いを4年ほど経験。こうした実務を通じて、観光を巡る一般的な状況や、修士課程の際に関わってきた歴史的町並み観光地以外の様々な特徴を持った観光地(温泉地、リゾート地等)の現状を知るに至った。都市計画を専攻してきた私にとって、こうした様々な特徴を持った観光地を訪問して感じたのは、それらが持つ空間的な魅力の欠如であった。魅力的とは言い難い観光地空間に対して都市計画はどう立ち向かうべきか?というテーマの研究の必要性に至り、博士課程に進学。社会人として勤務しながら、その合間(週末)に研究に取り組むという、(今振り返れば異常な)生活を4年ほど継続。2018年3月に博士(工学)を取得し、同年4月より立教大学観光学部に助教。2021年4月より同大学准教授。
【学歴】
2004年4月 東京大学教養学部理科一類入学
2006年4月 東京大学工学部都市工学科進学
2008年3月 東京大学工学部都市工学科卒業
2008年4月 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程入学
2010年3月 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程修了
2013年10月 東京大学工学系研究科都市工学専攻博士課程入学
2018年3月 東京大学工学系研究科都市工学専攻博士課程修了
【職歴】
2010年4月 財団法人日本交通公社入社
2016年4月 立教大学兼任講師(担当科目:「観光地づくり」)
2018年4月 立教大学観光学部助教
2018年10月 東京大学まちづくり大学院非常勤講師(現在に至る)
2021年4月 立教大学観光学部准教授(現在に至る)
【研究成果】
●査読付き論文
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西川亮、西村幸夫、窪田亜矢(2010), 欧州評議会による「文化の道」政策に関する研究 -政策の仕組みと史的変遷-,日本都市計画学会 都市計画論文集 45-3巻, pp.103-108
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西川亮、西村幸夫、窪田亜矢(2015), 文化庁「歴史の道」事業による地域への影響に関する研究 : 1970年代〜1980年代前半の事業策定初期の動向に注目して, 日本建築学会計画系論文集 80巻 710号, pp.895-905
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西川亮、中島直人、窪田亜矢、西村幸夫(2015), 戦争復興期に活動した観光技術家協会に関する研究 -建築・造園・工芸の職能に期待された役割, 日本都市計画学会 都市計画論文集 50-3巻, pp.800-807
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西川亮、中島直人、窪田亜矢、西村幸夫(2016), 昭和前期の雲仙における国際公園都市計画に関する研究 -戦前の景勝地における都市計画の展開, 日本都市計画学会 都市計画論文集 51-3巻, pp.1160-1167
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西川亮、中島直人、窪田亜矢、西村幸夫(2017), 1933年都市計画法改正による観光町村への法定都市計画の敷衍の特異性 -戦前の観光町村に対する法定都市計画に関する研究 その1-,日本建築学会計画系論文集 82巻 736号, pp.1475-1485
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西川亮、中島直人、中林浩、西村幸夫(2017), 西山夘三の観光地計画論に関する研究, 日本都市計画学会 都市計画論文集 52-3巻, pp.365-372
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西川亮、中島直人、窪田亜矢、西村幸夫(2017), 戦前の別府市における都市計画に関する研究, 日本建築学会計画系論文集 82巻 740号, pp.2597-2607
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Ryo NISHIKAWA(2018), Urban planning for the Yamashiro hot spring by Eika Takayama: The history of urban planning for a tourist destination in Japan, The 18th International Planning History Society Conference Proceedings, pp.1140-1151
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西川亮(2018), 倶知安町ニセコひらふ地区における空間マネジメントに向けた模索, 日本建築学会学術講演梗概集オーガナイズドセッション(都市計画), pp.39-42 ※アブストラクト査読
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西川亮(2018), 戦前の林学者による都市計画への接近に関する考察, 日本都市計画学会 都市計画論文集 53-3巻, pp.660-667
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西川亮(2019), 全国の温泉地における廃業宿泊施設の更新に関する実態と下呂における経験, 日本建築学会学術講演梗概集オーガナイズドセッション(都市計画), pp.73-76 ※アブストラクト査読
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岡村佑, 西川亮ほか(2019), 「地域観光プランニング」における初動プログラムの開発 -地域観光プランニングカレッジ(2017-2018)の実施を踏まえて-,日本建築学会学術講演梗概集オーガナイズドセッション(都市計画), pp.57-60 ※アブストラクト査読
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Ryo NISHIKAWA(2019), Government-led demolition of Bankrupted Accommodations in Kaga city, Japan, CHANGING CITIES IV: Spatial, Design, Landscape and socioeconomic dimensions, p.444 ※アブストラクト査読
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西川亮(2019), 戦後旧都市計画法下における熱海市の風致地区を巡る議論と運用に関する研究 -市議会での議論経過を中心に-, 日本都市計画学会 都市計画論文集 54-3巻, pp.1343-1350
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西川亮(2020), 都市計画法第34条に基づく市街化調整区域における観光開発に関する研究:都道府県指針を対象として, 日本建築学会学術講演梗概集オーガナイズドセッション(都市計画), pp.787-790 ※アブストラクト査読
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西川亮(2020), 熱海市総合開発計画構想案(高山プラン)(1960)に基づく高度経済成長期の熱海市都市計画の展開, 日本都市計画学会 都市計画論文集 55-3巻, pp.1265-1272
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西川亮(2020), 官民による温泉地における廃業施設の更新に関する計画論研究 -2000年代以降の加賀市における実態を対象として-, 日本建築学会計画系論文集, 86巻 779号, pp. 137-147
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西川亮(2021), オーバーツーリズム観光地における新型コロナウイルス流行後の住民の観光に対する意識に関する研究 -観光との接点を有する住民を対象として-, 観光研究, 32-2, pp.53-66
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阿部由香里・松井大輔・西川亮・石山千代(2021), 景観紛争を乗り越えて実践される鞆の浦の町並み保全型まちづくりの現状と計画的課題 - 主体関係の変化と現在の意見に着目して-, 日本都市計画学会 都市計画論文集 56-3, pp.508-515
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西川亮(2022), コロナ禍における居住市内宿泊の実態に関する基礎的研究, 観光研究, 34-1, pp.1-14
●大会発表や審査なし論文(一部のみ)
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西川亮, 窪田亜矢, 六田康裕(2009), 社会実験による町並み観光の可能性の分析:足助における「まちなか観光」3, 日本建築学会学術講演梗概集(東北), pp.217-218
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西川亮、西村幸夫(2010), 欧州評議会による「文化の道」に関する研究, 日本建築学会学術講演梗概集(北陸), pp.563-564
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西川亮(2014), 三重県における熊野古道の保全と活用に関する研究, 観光文化, 38(2), pp.38-41
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西川亮(2014), 文化庁「歴史の道」事業に関する研究, 日本建築学会学術講演梗概集(近畿), pp.1111-1112
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西川亮、梅川智也(2015), 実践的な「観光地経営」の取り組み:“伊勢志摩サミット”を目前にした三重県鳥羽市を例にして, 観光文化, 39(4), pp.49-56
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西川亮, 高浪七重(2016), 鳥羽市における観光計画の現在と今後, 2016年度日本建築学会大会(九州)都市計画部門研究懇談会資料, pp.73-76
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西川亮(2017), 戦前の三重県内町村の観光を意識した都市計画区域設定の議論, 日本建築学会学術講演梗概集(中国), pp.1159-1160
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西川亮、梅川智也(2018), 域内調達率向上に向けた調査に関する試論, 第33回日本観光研究学会全国大会学術論文集, pp.5-8
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Ryo NISHIKAWA(2019), Government-led demolition of Bankrupted Accommodations in Kaga city, Japan, CHANGING CITIES IV: Spatial, Design, Landscape and socioeconomic dimensions
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西川亮(2019), 1969年観光政策審議会専門委員会による「観光」の定義創出プロセス, 第34回日本観光研究学会全国大会学術論文集, pp.13-16
他多数
●招待論文
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西川亮(2019), 観光客の視点から観光地を捉える, 2019年度日本建築学会大会(北陸)建築計画部門寄稿論文集, pp.64-65
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西川亮(2020), 平成時代における都市計画領域から観光への接近 -地域住民・行政・学術それぞれの立場から-
●著書
観光地経営の視点と実践(共著)
観光地経営の視点と実践第2版(共著)
観光学全集第8巻(共著)
ポスト・オーバーツーリズム(共著)
観光産業のグレートリセット(共著)
●外部資金獲得状況(研究代表者のみ記載)
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【科研費基盤研究A】観光地環境管理と市場活動の統合型計画技術「地域観光プランニング」の詳細化と実装化(研究分担者)(2017年度〜2020年度)
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【立教大学学術推進特別重点資金】温泉地における廃業宿泊施設の敷地再利用に関する研究(研究代表者)(2018年度)
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【科研費研究活動スタート支援】戦前から1960年代までの観光地で指定された風致地区の実態に関する研究(研究代表者)(2018年度〜2019年度)
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【科研費若手研究】温泉地における廃業宿泊施設の取壊しと跡地再利用に関する研究(研究代表者)(2020年度〜2022年度)
●学位論文
修士論文:欧州評議会による欧州評議会による「文化の道」政策に関する研究 -政策の仕組みと史的変遷- (274p)
博士論文:観光地都市計画に関する研究(633p)
●賞罰
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2014年度日本観光研究学会観光著作賞(一般) (「観光地経営の視点と実践」に対して)
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2018年度日本都市住宅学会学生論文コンテスト 博士論文部門 論文奨励賞(博士論文に対して)
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2018年度日本都市計画学会論文奨励賞(博士論文に対して)
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2018年度日本観光研究学会論文奨励賞(博士論文に対して)
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2019年度日本都市計画学会年間優秀論文賞受賞(「戦後旧都市計画法下における熱海市の風致地区を巡る議論と運用に関する研究」に対して)
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2021年度日本観光研究学会優秀論文賞(「オーバーツーリズム観光地における新型コロナウイルス流行後の住民の観光に対する意識に関する研究」に対して)
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2021年度日本都市計画学会年間優秀論文賞受賞(「景観紛争を乗り越えて実践される鞆の浦の町並み保全型まちづくりの現状と計画的課題」に対して)
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2021年度日本観光研究学会観光著作賞(一般)(「ポスト・オーバーツーリズム」に対して)
●講演
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日本観光研究学会総会シンポジウム「"オーバーツーリズム”への観光研究のアプローチ」
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JAIST敷田研究室研究セミナー第8回 「限界を超える観光 オーバーツーリズムを問う」
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2020年1月15日ミズベリング勉強会 パネルディスカッション
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2021年3月3日 日ASEAN学生会合2020 Lecturer
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2021年3月4日 秩父地域観光担当者会議 基調講演「持続可能な地域のための観光」
●社会貢献
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日本建築学会地域観光プランニング小委員会主催「地域観光プランニングカレッジ(三重県志摩市)」指導講師
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日本建築学会持続可能な観光地形成小委員会幹事(2019年4月〜)
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日本建築学会文献抄録第5部会(都市計画)(2019年4月〜)
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日本観光研究学会集会委員会幹事(2018年5月〜継続)
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日本観光研究学会総務委員会幹事(2019年5月〜)
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日本観光研究学会「観光政策に対する学術的視座の検討分科会」研究分担者(2019年9月〜)
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日本都市計画家協会地域デザイン研究会(2019年10月〜)