Nishikawa Lab., College of Tourism, Rikkyo University
Community Based Tourism, Tourism Policy, and Urban Planning
卒業論文
卒業論文の概要と執筆後の振り返りを掲載しています。
2020年度卒業論文
1. コロナ禍における小学校の修学旅行の重要性
【研究の概要】
修学旅行がコロナ禍において①修学旅行の実施に至るうえでの苦労、②修学旅行、体験学習の教育効果、③コロナ禍を機に体験学習が縮小し、遊山的な周遊型の修学旅行に回帰する可能性の三点について調査しました。
調査方法は小学校6年生の生徒、先生、保護者、旅行会社、修学旅行受け入れ地域にアンケート調査や聞き込み調査を行いました。その結果、コロナ禍という特殊な状況下だったからこそ、生徒らは危機感をもって修学旅行に臨み、多くの学びの機会になったということが明らかになりました。また、小学校や旅行会社は、緊密に連絡を取り合い、感染防止対策を万全に行うことで保護者らに安心して子供を預けてもらえるよう動いていました。受け入れ地域は修学旅行を受け入れるために一般観光客の受け入れを停止する等の措置をとっていたことが判明しました。多くの人が修学旅行を安全に実施するために最善を尽くしていたことを明らかにしました。
【研究を振り返って】
卒業論文に取り組んだ結果、普段の授業だけでは学べない事やコロナ禍でのリアルな旅行会社等の状況を自力で学ぼうと行動する姿勢を培えました。
まず、卒論を書こうと思ったきっかけは、①新型コロナの流行②観光産業大打撃で就活もしたくない③大学四年生と言ったら卒論を書くものかなという気持ちでした。私の卒論のテーマはバイト先関連でふと思いついたものでした。生活していたらふと気になったことや論文読んで気になったこと、純粋に書いてみたいことを卒論にしたらいいと思います。卒論の舵取り、添削は西川先生がして下さいました。また、就活中は就活を優先させてもらえて大変助かりました。
授業やネットでは知る事ができない生の声を聴けたから、調査は楽しかったです。加えて、インタビューやエクセル、ワード等社会人になる前に必要なスキルも習得しました。就活に役立つだけでなく、卒論をストレスなく進めるためにも、タイピングとショートカットキー、ワードとエクセルの特性はYouTubeで学ぶことをお勧めします。
一番しんどかったことは、インタビューの文字起こし、アンケート集計の打ち込み、卒論の章立て、構成でした。問題があればすぐ、先生が添削して下さいました。元々自分は文章を作るのが苦手だったため添削が多く、苦労しました。それでも、多くの人にお世話になったからそれに報えるよう頑張れたと思います。
2. アンノン族の旅の再評価
【研究の概要】
本研究の目的は、当時の専門家によるアンノン族の評価を加味して、彼女たちの存在を再評価することである。アンアン、ノンノが提供していた観光の在り方と当時の専門家が評価した実際の観光とのギャップ、 加えて、当時の専門家の評価とポストアンノン族時代の専門家の評価とのギャップ、 この二つを明らかにすることによって目的の達成を目指した。文献調査によって抽出されたデータの分析を、第2章、第3章、第4章で行った。第5章の結論では以下のように述べた。第一に、アンアン、ノンノが提供した観光情報はアンノン族の観光に完全には反映されていなかったとともに、アンアン、ノンノが提供していた観光の在り方と当時の専門家が評価したアンノン族の実際の観光とにギャップがあるということ。第二に、正しく観光史を伝えるためには、当時の専門家の評価も踏まえたうえで、アンノン族とはどのような存在であったのかを伝えていくべきだとした。加えて、他の歴史についても、現代と当時で語られていることにギャップを見出すことができる可能性があるとして、他の歴史についても一般化できるということを本研究から得られる示唆として述べた。
【研究を振り返って】
卒業論文作成にあたり、丁寧かつ真摯にご指導いただいた西川先生に感謝を申し上げます。行き詰まった時に、私の意見を大切にしながら、沢山の助言をしてくださいました。大学生活でレポートや報告書を書くことはあっても、論文を書くというのはこの卒業論文が初めてでした。この経験は、私の財産になったと感じています。文献調査は大変ではありましたが、アンノン族に関する資料や記事を見つけることができた時には心が躍り、興味のある事柄について突き詰めるという時間は私にとって楽しく充実したものでした。また、歴史研究は費やす時間に対して成果が微々たるものであるということを身を持って体感したことで、研究者の方々に尊敬の念が湧きました。また、データを集めることも重要ですが、その後そのデータから何を読み取るかどう考察し結論づけていくかが更に重要で、私はその工程でとても苦労したように思います。本研究の示唆として、他の歴史においても当時の専門家の意見を取り入れて歴史を語ることが重要であり、当時と現代で語られていることの間にはギャップが生じているかもしれないと述べました。このように自分の研究の範囲内ではなくてもしかしたら他の観光史でもあり得ることなのではないかという視点を得ることができたことがとても嬉しかったです。社会人となっても、卒業論文作成から得た興味のある事柄に対して突き詰める姿勢や、論理的な考え方を大切にしていきたいです。